2年前、ここでキスされた。
2年前、ここで抱きしめられた。
2年前、ここで約束した。
2年前、ここで愛していると囁かれた。

冷たい風が体を包む。

コレじゃない。
待っているのは、温かいんだ。
こんな冷たい世界じゃない。

目を閉じて立てた膝に顔をうずめる。
風が目に入って、泣いてしまいそうだった。

「うそつき…会おうって…言ったくせに…」

待っても来ないとわかってる。
でも約束だから来ねぇと仕方ねぇじゃねぇか。
こんな方法で縛るなんてズルイ。

「…トシ…」

「別に嘘を言った覚えはねぇよ」
「!」

声がした。
この2年、本当に聞きたかった声。

「…ト、シ…;?」

顔を上げるとそこには、声よりもっと、もっと見たかった姿があった。

「…ほら、会えたろ?…銀。」
「トシ…、トシ…か?本当に…?何で…」

気がつくと走り出していた。
飛びつくように土方の体に触れた。

「…幽霊じゃねぇ…」
「当たり前だろ」

バカな奴、と笑う。

「…何で…ゴリラはトシは死んだって…」
「あぁ、近藤さんには今から伝えに行くところだ」

土方の話では
「爆弾を受けたのは事実だが、実際には死んだわけではなく、瓦礫の山に埋まっていた。
他の隊員は敵を倒すためどんどん場所を変えていたので、俺の救助もままならなかったらしい。
まぁ真選組では味方を助けるより敵を先に倒せと教えているからな。
真選組が去った後、その土地の所有者に発見されて、介護を受けた。
かなり重症で、声を出すだけでも1年近く、歩けるようになるまで2年もかかった。
声が出る段階で、連絡しようと思ったが、真選組副長が弱っていると噂が出回ればまた狙われかねないからな。
回復するまで厄介になることにしたんだ。
で、こうして出てくるまで2年かかったってわけだ」
ということだった。

「…遅くなった。悪ィ」
「…どんだけ待ったと思ってんだ」
「…ああ」
「めちゃめちゃ…辛かったんだぞ、銀ちゃんは」
「…そうか」
「2年も…待っ…」

言葉にならずに
ただ、抱きしめた。

「…お、かえり…」
「…ただいま、銀。」

―――最も永く続く愛は、報われぬ愛である。

「トシ」
「ん?」

でも、
報われてる愛も長く続くはず。
だってほら。俺はトシが死んでても、生きてても、

すっっっっげぇ――

「好きー」

――だから。

「俺もだ」



はい終わりー。
やっぱハッピーエンドはいいねぇ(^^)
20050914UP







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