ムゲン6

「てめぇは…何してんだよ…」
「…たか、すぎ…」

何人かの部下を引き連れて、高杉が土方の部屋に乗り込んできた。
すぐにベッドに寝かされている銀時を見つけた。
ゆっくりと銀時に近づいてベッドに横たわる”所有物”を見下ろす。
また例の発作だと確認すると周りを見回した。

「電話の奴はどこだ。」
「…いねー、よ…」
「何…?」
「逃が、した…俺が…」

ベッド脇にしゃがみ、銀時を睨みつける。

「どういうつもりだ…」
「…また…俺の前で…殺す、つもりだった、ろ…嫌、なんだよ…そういう、の…」
「逆らうつもりか」
「…そんなんじゃ…ねーよ…」
「……。まぁいい」

高杉は部下達を先に車に返し、2人にさせるよう指示した。

「ほらよ。さっさとしろ」
「……」

銀時が横になるベッドに浅く座り、見下ろすと
銀時も促されるように体を起こし、床へと降りる。
床に座って高杉の顔を見上げると、嘲笑うように口を歪ませる。

「イイ子だ…銀時。」

この瞬間が、銀時には苦痛で仕方なかった。

「…クスリ、ください。」

そう口にして、高杉に媚びる自分の姿。
可笑しすぎて、いっそ、笑っちまう。

高杉のズボンに手をかけ、ゆっくりファスナーを下ろしていく。

最初はソレに軽くキス。
忠誠を示すためだ、と高杉に仕込まれた。
自分以外の人間にはするな、とも言われた。

クスリ一回につき、フェラを1回。

いつの間にか決められた”規則”。

クスリ欲しさのためにそんな規則を律儀に守るのは、自分のプライドを捨てるのと同じだ。
それでも、クスリの切れたこの体は、徐々に精神まで蝕んでいくようで、耐え難い。
安っぽいプライドは、クスリに依存した自分の体に、負けたのだ。
それも、今から遠い過去の話である。
今では規則も、強く促されるまでもなく行動できるようになった。考える前に体が動く。

クスリは銀時が高杉に出会った時、打たれたのがきっかけだった。
依存性の高いそのクスリはすぐに銀時の体を巣食い始めた。
3日と経たず、銀時は高杉の言いなりになってしまった。
もちろん最初の頃は抵抗した。それでも、勝てなかった。

「さっさとイかせねぇと苦しいだけだぞ」

軽く腰を振って催促する。
それに従うように、高杉のを深くくわえ込んだ。
中から搾り取るように口を窄めて顔を上げていく。

慣れてしまったものだ。行為も、この関係にも。

高杉が小さく息をもらした。

「…いいだろう、来い。」

顔を離させて腕を掴むと、銀時の体を膝に乗せた。

「ご褒美だ」

高杉が手にしたのは、透明な液体の入った注射器。
クスリだ。

「ほらよ」

決まった場所に針を刺す。
何度も注射針を打ち込まれた腕は痣のように、一部が真っ青に変色している。

ゆっくり液体が体に入っていく。
荒くなっていた呼吸も体中を駆け巡っていた痛みもすぐに治まり、代わりに体の中が熱くなる。
クスリには幻覚作用がある。同時に体は敏感になり、快感だけが増幅されていく。

「…イけ。」
「ぁ、ああ……アッ;!」

中に入ってくる。

自分が、壊されていく。

「はぁっ、あ、ぁ…!」

自分の口からは喘ぎ声しか出なくなる。
クスリのせいなのか、自身が喘いでいるのか。
そんなことを考える余裕も今はない。

「銀時…」

耳に名を囁かれると同時に、
体を震わせた。
支える力を失って、高杉に体を預ける。

「相変わらず挿入れたらすぐイクな、お前は」

銀時がイった後も構わず腰を打ち付ける。
銀時が意識を失っても、ずっと。

はははっと笑う声がいつまでもいつまでも耳に残っていた。



――でも、待ってろ…絶対、戻ってくるからよ



さっきの男は、言った。
自分に、待て、と。

たった1晩世話になっただけだ。
別に何の義理もない。
男の言葉を本当に信じているわけではない。
でも、目が、本気だった気がする。

信じて、いいのか――?

「(ひじ、…かた…)」

高杉が吐き出す瞬間、
頭は男の名前を呼んでいた。


高杉さんは悪いやつですねぇ。(にっこり)
20051028UP


 






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